きいろの道
撮影者 : 宇津 知絵美さん
〈撮影場所 : 浜田市内村町〉
審査委員長コメント
【審査委員長コメント】
穂の実った穏やかな天気の中で駆け回る子供の姿は微笑ましいですね。今年は特に暑い日が多かったので、この写真を撮影した日も暑かったかもしれません。大汗をかきながら走り回る子供たちの姿は、本当に魅力的です。広い風景の中で子供が駆ける様子を、浅い絞りで奥行きを出し、的確なピントで撮影しているのが印象的です。絞り値をどこまで調整するかが、写真のピントの範囲を決定する重要なステップとなります。
霧の参道
撮影者 : 森山 慎也さん
〈撮影場所 : 大麻山神社〉
審査委員長コメント
【審査委員長コメント】
この神社は雨や天候が悪い日に訪れると、霧や雲が神秘的な雰囲気を醸し出しますね。私も浜田へ作品制作でよく行くのですが、天気が悪いときは山を見つめて、見えなければその神社に向かっています(笑)。あなたの作品についてですが、渋めの色調が非常に良いと思います。ただ、手前の階段が明るく、奥への目線の流れを少し妨げているように感じます。ハーフNDフィルターを使用して減光するか、思い切ってその部分をカットすると、作品がさらに引き立ったかもしれません。
石見のカッパドキア
撮影者 : 峯田 翔平さん
〈撮影場所 : 石見畳ヶ浦〉
審査委員長コメント
【審査委員長コメント】
キノコ岩の存在については、私も知りませんでしたが、あなたの作品を見て、実際にその場所を訪れてみたいと思いました。時間を選び良いタイミングで撮影しています。夕日を背景にしつつも、岩の質感をしっかりと捉えるために露出設定や現像に苦労されたことでしょう。風景写真では、フィルターワークを用いることで現場でのイメージをさらに高めることが可能です。ハーフNDフィルターの使用を一度お試しになることをお勧めします。これからも素晴らしい作品を期待しています。
朝の入江
撮影者 : 森口 朗さん
〈撮影場所 : 浜田市瀬戸ヶ島町〉
審査委員長コメント
【審査委員長コメント】
シンメトリーな構図で、周辺部までしっかりと解像しているため、非常に見やすい作品となっています。風がほとんどなかったのでしょうか、水面が鏡のようになっており、美しくグッドコンディションだと言えます。作品力を高めるために「フレームの四隅をよく見る」というアドバイスを写真誌でするのですが、特に残念だったのは、画面左下に映るボートのエンジンと画面右の電柱です。これらをカットすることで、作品がさらに見やすくなったと思います。
夏の入り
撮影者 : 向田 晋也さん
〈撮影場所 : 大麻山山頂展望台〉
審査委員長コメント
【審査委員長コメント】
写真から感じるこのワイド感ですから、実際にはさらに素晴らしい光景が広がっていることでしょう。私自身、この場所には天気が悪い時にしか登ったことがなく、いつも周囲は真っ白です(笑)。しかし、あなたの写真を見て、天気にかかわらず登ってみようと思いました。個人的にはもう少し濃い濃度が好みですが、非常に見やすい露出で撮影されていると思います。トリミングか比率の変更で撮影されたのでしょうか。このワイドな比率が、スケール感をうまく演出しています。
夏の風物詩
撮影者 : 大石 達さん
〈撮影場所 : 大麻山山頂展望台〉
審査委員長コメント
【審査委員長コメント】
今回の大麻山からの絶景には本当に感動しました(笑)。奥行きのある対角線の構図に点在する漁火が、非常に華やかで印象的です。夕景や夜景での点光源が目立つ作品では、レンズの性能が重要な役割を果たします。この作品でも、画面右側にサジタルコマ収差が見られますね。スマートフォンのカメラ性能が向上している現在でも、本当に素晴らしい作品を撮影するためには、カメラの光学レンズの重要性が改めて認識されます。
星の架け橋
撮影者 : 山藤 広巳さん
〈撮影場所 : 三隅大平桜〉
審査委員長コメント
【審査委員長コメント】
あなたの作品を見て、その美しさに感激しました。コメントで述べられた撮影状況を読んで、さらに納得しました。自動販売機の光が非常に効果的で、良いアクセントになっています。確かに、天の川をメインにすると通常は視点が拡散してしまいますが、この作品では桜が青白く映ることで、天の川との組み合わせが不思議な雰囲気を生み出しています。黒く潰れた桜よりも、はるかに魅力的な作品に仕上がっています。
簗瀬の滝
撮影者 : 木岡 悠太さん
〈撮影場所 : 浜田市内村町〉
審査委員長コメント
【審査委員長コメント】
通り過ぎてしまうような場所でも意識を持って違った場所や視点から見つめるというのは大切ですね。こんな素敵な滝を独占できるとはまさに隠れスポットですね。水量も程よくスローシャッターで上手く水の流れを表現しています。露出をややつめて岩を暗めにし、水の流れを強調できたのも良かったと思います。
プライベートビーチ
撮影者 : 半場 幸伸さん
〈撮影場所 : 浜田市瀬戸ヶ島町〉
審査委員長コメント
【審査委員長コメント】
雲にフォーカスして全体の露出を抑えて雲のディテールを抑えた露出設定が成功しています。しかし画面周辺部が解像しておらず画像が流れています。こうした特徴はスマホのレンズに顕著に見られる現象ですが、構図は安定感があって広がる雲のスケール感をうまく表現しています。
大麻山山頂からの山陰本線
撮影者 : 川崎 審爾さん
〈撮影場所 : 大麻山山頂展望台〉
審査委員長コメント
【審査委員長コメント】
鉄道ファンの間で有名な撮影スポットを、あなた独自の視点から撮影することに成功しています。山の立体感や山間を走る列車の風景は、通常鉄道写真を撮らない私にも非常に魅力的に映りました。光の位置が時間とともに変わることで、風景の表情も変わると思いますので、フレーミングのさらなる精査や、異なる時間帯での撮影を試して、この場所からの作品の完成度を高めてみてはいかがでしょうか。今後の作品にも期待しています。